データをじっと眺めていたら、なぜ?が生まれる。

沖縄の“地震事情”

「沖縄県の震度別地震回数表」検索データベース

沖縄では地震が少ないというこれまでの定説がここ数年だいぶ変わってきた模様です。3年前の東日本大震災の時は沖縄県への直接影響は、水産関係ではモズク被害の報告がありました。しかし沖縄では2004年、2008年、2010年と続けて最大震度5を記録した地震が発生し、警戒を忘れてはいけないようです。

台風による暴風雨に慣れている沖縄県のみなさんは、実は地震の揺れに対してあまり慣れていないそうです。それだけ沖縄ではあまり地震にあう事が少ないと言われていた裏付けでもありますが、今月3月3日午前5時頃に、沖縄本島を襲った震度4(沖縄近海でマグニチュード6.6)の地震は、恐らく沖縄のみなさんを早朝から叩き起こすほどの揺れだったに違いありません。

(C)足成/地震計(C)足成/地震計

気象庁の震度データベース検索から沖縄地方での一定震度以上の地震発生回数を見てみます。

沖縄地方の過去10年間に遡った最大震度4以上の地震発生回数は全部で15回ありました。そのうち震度5弱以上でマグニチュード6以上の地震が3回あり、これが2004年、2008年、2010年と短い期間の中で発生していました。また沖縄本島だけではなく八重山地方でも揺れています。
なお、東京地方で観測された震度4以上の地震発生回数は、東日本大震災の三陸沖を震源とする最大震度7を含めて35回観測していて、これは沖縄地方の2倍以上の観測数になります。

地震データベース(C)気象庁/2014.3.25時点の地震データベース
赤:深さ 0〜30km、橙:深さ 30〜100km、黄:深さ 100〜300km

琉球大名誉教授・木村政昭氏は沖縄の地震について[ネタりか/「沖縄地震頻発は「南海トラフ地震」と「太平洋大津波」の前触れ」]の中で、沖縄の地震が少ないと言われている事を改めており、なおかつ“沖縄や本州は同じユーラシアプレートにのっかっていて、小笠原などがあるフィリピン海プレートがそれにもぐり込んでいる”のであれば、地震の発生要因としての大きな大陸プレート同士の地震発生は、沖縄でもいつでも起きる可能性があると言っています。

沖縄の耐震基準は過小評価されている?

一般的に建物の構造設計をする場合、地震(耐震基準)または風(耐風基準)、雪の多い地方では積雪荷重(耐積雪荷重)といった影響を予め考慮した安全性能で設計・建築されています。雪が振らない沖縄では、このうち耐風基準は全国的にも9段階中最大係数となっており、つまり耐風能力は高い建物の造りとなっています。このため、沖縄の建物にコンクリート構造(RC構造)の家屋が多いのです。

しかし、耐震構造はというと、沖縄の地震地域係数は0.7と全国で最も低く設定されており、東京の1.0より0.3ポイント低い沖縄の係数では、理論上から東京より30%低い基準でも建築が可能であることを示し、そうした基準の建築が認められる事になります。ただ慌ててはいけないのが必ずしも地震に弱い基準ではありません。
しかし、こうした僅かな係数の差から、沖縄では駐車場確保が必須で敷地を有効活用する事でも、一般的に耐震性能が低いと言われている1階が駐車場になっている家屋が非常に多く建築されることになり、平成27年度までの耐震化率の目標値を

・住宅:現行の79.2%から90%に引き上げる。
・特定建築物:現行の83.5%から90%に引き上げる

等に促進を図っている中でもあります。

県内のマンションに多い1階が駐車場のピロティが、国の耐震基準を満たして建築可能なのも係数が低いことによるものという。 琉球新報/琉球大学工学部環境建設工学科の山川哲雄教授

地震調査研究推進本部による地震動予測地図を参考にすると、沖縄本島と八重山地方の一部でも震度6強以上の地震が起きる可能性が図示されているものの、これまでの耐震基準を本土並みに変更するかといえばそうでも無いのが現状です。

1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく見直されて「新耐震基準」ができたのですが、この新基準で『震度6強以上の地震で倒れない住宅』が最低限の建築基準となり、沖縄でもそうした新耐震基準に見合うように旧耐震基準で建てられた住宅立て直し等を推進している訳ですが、一様に簡単に進むものでは無い事は、沖縄県外でも同じ事情かと思います。

沖縄を襲った大津波の歴史

東日本大震災の復興は今なお色々なカタチで進んでいるものの、その計り知れない災害の爪あとに苦しむ方々が多くいらっしゃるのが現状です。それは、地震の後に襲って来たあの大津波による被害が多く、その恐怖と悲劇は昨日のことのように忘れませんね。
その教訓や、国内沿岸部における津波対策は大丈夫なのか?と広くその問題意識も高まり、沖縄も普段は穏やかな透き通る海に囲まれながらも、万が一の地震による津波対策は取られているか心配になることもあります。

南西諸島近海地震(沖縄近海で発生した被害の大きな地震)

大度浜海岸普段は穏やかな沖縄の海

今から240年以上前の江戸時代中期、1771年(元号は明和)に、実は八重山地震[wiki]による「明和の大津波」という大津波が八重山列島に大きな被害(行方不明者約12,000人・家屋流失2,000戸以上という惨事)をもたらした記録があります。
この時、石垣島における津波の最大遡上高(海岸から内陸へ津波がかけ上がる高さ)は85.4メートルだったという当時の記録が正しければ日本最高の遡上記録ですが、実質は当時の測量の半数値だったとも言われています。

明和の大津波・津波跡現地調査

驚く事に、石垣島の東沿岸部には津波により打ち上げられた岩が幾つも存在し、伝説では無く科学的分析や史料により裏付けられていますので、過去に津波が押し寄せた証拠として現代への警鐘として捉える事ができます。

大浜の津波石(沖縄県石垣市)(C)wiki/大浜の津波石(沖縄県石垣市)by Paipateroma 安良大かね(やすらうふかね)(C)津波石の1つ「安良大かね(やすらうふかね)」
/国土交通省ウェブマッピングシステム

陸前高田市の津波石碑同様に、沖縄でも過去に押し寄せたこうした津波の痕跡から、地震による家屋の倒壊以外にも津波による災害の対策を示すものでしょう。

災害は忘れたころにやってくる

沖縄では、地震に対する防備や防災意識を高めようと、警鐘を鳴らしている人達は多くいて、やはり東日本大震災がこの現代にもたらした教訓を糧にしたいと思う事から始めれば、普段の生活導線の中で万が一の避難先はどこなのか、津波から逃げられる高さ7階以上(20メートル)の建物や高台はどこなのか。「津波から逃げる際にクルマを使わない」という常識はクルマ社会沖縄でどこまで通用するか、自己防衛が必要になると思います。

地図検索サービスサイト「Mapion(マピオン)」ではその地点の海抜を調べる事ができます。
陸地を右クリックすると小窓が出てきますので、沖縄在住のみなさまや、これから移住したい沖縄の地域の海抜を下調べして、お住まいや通勤、お子様の通学路の海抜を調べるなど、万が一の災害に対する意識付けをしてみてはいかがでしょうか?

マピオンマピオン/海抜を調べる事ができます。

日本はもはやどこにいても地震災害からの安全神話が無くなり、そして地震がもたらす未曾有の二次、三次災害はこれまでの想定を遥かに超えて襲いかかって来ることを知りました。だからこそ、後世に残し同じ過ちを起こさないように対策して行くことができます。
少しでも安全安心に暮らし、防災意識を高めたいのが最善ではありますが、自然がより身近な沖縄であるからこそ、沖縄移住生活の中でも意識できるきっかけになれればと思います。

東京電力福島第1原発事故の影響により沖縄県に避難生活されている方々が1000人弱いらっしゃる現状ですが、平成の度重なる大震災として阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、東日本大震災を目の当たりにしてその大災害を決して忘れてはいけないでしょう。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り致しますと共に、被災されたみなさまのご心中、ご苦労をお察し申し上げ、心よりお見舞いを申し上げます。

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