あとで痛い目に合わないためにも、最低限知っておきたい沖縄の家選び。

移住で気になる“沖縄の家”基礎知識

憧れの外人住宅や古民家、沖縄の一般住宅の常識

沖縄移住に関わる重大要素の1つ「家探し」。沖縄の物件情報をアレコレ見て本土との違いを小耳に挟んでいるかもしれませんが、沖縄に住むなら「やっぱり海が近い方がいい!」とか「ベランダから沖縄のサンセットを独り占めしたい!」なんて無防備な憧れだけでは、容赦なく沖縄の自然の餌食になり兼ねないというお話です!
沖縄インタビューでも色々とリアルなお話を伺ったことも含めてコレだけは抑えておきたい“沖縄の家基礎知識”をお伝えしたいと思います。

NO.3037竹富島市街地竹富島市街地/(C)ゆんフリー写真素材

沖縄の自然を甘く見てはいけない3つの常識

沖縄地方の一般住宅の9割以上は、台風の勢力を保ったままの暴風雨に物ともせず、そして延焼し難い耐風耐火構造の“鉄筋コンクリート住宅”が基本です。中でも1981年(昭和56年)以降の建築基準で造られている建物は耐震構造の安全性も向上しています。また、躯体だけではなく、開口部は網入りガラスや厚めのガラスが利用され、加えてサッシの頑丈さは強風による破損にも対抗しています。こういった建物としての安全仕様は、日本全国どこでも戸建て住宅や集合住宅問わず最低保障されなければなりませんが、沖縄ではそれだけで安心してはいけません!
それでは初めに3つの基礎知識をご覧ください。

沖縄観光でも人気のサンセットクルーズでは、海に沈みゆく「沖縄の西日」に心が癒されますが、実は住むには注意が必要だというのが1つめの基礎知識です。皮肉にも鉄筋コンクリート製の家は太陽熱を吸収しやすく、夏場では最上階や西向き、大きな開口部がある場合は、午後帯から夕方のサンセットまでじわじわと強烈な西日で壁や室内を焼きつくして行き、ノーガードの部屋の内側にある、変色や変形に弱いアイテムがすぐに影響を受けるかもしれないのです。
沖縄のエアコン事情からも、エアコン室外機を西日に晒していると、冷却効果的が働き難い事が考えられます。

戸建住宅でも良く見かける「マスブロック」はそうした西日対策の好例のようですね!(家の時間/フリーライター、伊藤 加奈子さんの家)

沖縄の夕日沖縄の美しい夕日を眺めていたい!/(C)フォトストック 沖縄の強い雨/by マイグロ沖縄の強い雨!クルマのワイパーが効きません。
/by マイグロ

そして2つめの基礎知識は沖縄の雨。降雨量が多く雨の流れていく先、つまり雨仕舞い(あまじまい)と言って排水や雨漏りせずにきちんと流れが確保されているかを注意深く確認する必要があります。上階であっても、ベランダの排水口が詰まり、ベランダと2階の床面15センチ差をもろともせずに床上浸水するという事にならないように!(※実際の体験談です)
そして3つ目は、意外と見落としがちなその物件周辺の確認です。コンビニや病院が近いという利便性の話ではなく、沖縄のお墓や牧場、工場臭気、騒音等は沖縄地方の特性として本土より気にしておかなければなりません。さすがに中心部ではありませんが、駅を中心とした宅地発展をしていない沖縄では思わぬ施設が隣接していることで、強い風がその存在感を“嫌というほど届けてしまう”場合があります。相場より安いお値段の裏側にはそれなりにマイナス要因が潜んでいるかもしれません。

さて、沖縄の自然のチカラの影響を理解したところで、沖縄移住スタートの拠点となる“沖縄で住む家の建築様式”を幾つかのご紹介します。

沖縄の建築様式別の特徴

■外人住宅(米軍ハウス、米軍住宅)
・家賃相場3万〜13万ぐらい。戸建て・集合タイプ。

沖縄の外人住宅/WASITE STORE沖縄の外人住宅の中をオシャレなショップにアレンジ!「WASITE STORE」/by マイグロ

沖縄のコンクリート住宅発祥とされる「外人住宅」は、その名が示す通り基地外の米軍関係者に向けた住宅を指します。おきぎん経済研究所のまとめ報道[琉球新報.2005]によると県内に4500戸ほどある「外人住宅」の稼働率は9割以上を維持し、形態別ではアパートが7割、戸建てが3割あるようです。基地縮小の流れから土地ごと民間に返還されており、地域別の分布では、沖縄市・北谷町周辺(特に北谷町宮城海岸沿い)に5割が集中し、嘉手納町・読谷村周辺にも3割り程度分布しているそうです。

専有面積が比較的広くモダンな造りの「外人住宅」は、住居以外にカフェやショップとしても人気ですが特に湿気には対策が必要なようです。また、契約形態によりますが、築年数が経過している場合が多いので自分で水回りメンテナンスやリフォーム(借地権の場合大家さんしだい)等の維持・改修費がかさむ可能性があり、契約条件を詳しく確認しておく必要があるようです。
それでも、一風異なった沖縄ならではの雰囲気を味わいながら「外人住宅」に住んでみたり、仕事場にするには気分が良いかもしれませんね。

外人住宅に住んでいらっしゃる方のブログや物件情報のご参考に!
「できるじゃが」さんのブログ エンタメハウス【沖縄のカフェ特集Vol.1】港川の外人住宅街で、お洒落カフェを発掘! すまいずむ「外人AP。対面キッチン。お洒落なお部屋!工夫がいっぱいの間取り」

■琉球古民家
・家賃相場3万〜(売買契約も盛ん)。戸建てのみ。

琉球古民家のイメージ・天空の茶屋/by マイグロ琉球古民家を再現している天空の茶屋/by マイグロ

沖縄の田舎暮らしに憧れる方や、アトリエとしての用途に大人気の沖縄の古い民家が琉球古民家です。今でもわずかに残る貫木屋『ヌチジヤー』形式の琉球古民家は、昔は石垣や『ヒンプン』(屏風石)に囲まれ、一番座、二番座の様式を持つものが正式の平屋古民家です。『アマハジ』(雨端)という縁側に大きく張り出した庇が直射日光や雨の家屋への侵入を防ぎながら、風通しを意識した造りのため隙間風は多く気密性は低め。漆喰で固められた赤瓦や屋根に乗った『シーサー』がシンボルとなっている場合もあり、戦後の木造住宅のほとんどはこのような様式を基本としています。

琉球古民家の主な間取り[沖縄古民家.com]

街なかで見かける古民家(糸満)/by マイグロ琉球古民家街で見かける古民家(糸満)/by マイグロ 街なかで見かける古民家(糸満)/by マイグロ那覇の街中で見かける古民家。(那覇)
昔の木造住宅という感じで普通に住んでいらっしゃいます。
/by マイグロ

琉球古民家は、なんと言っても沖縄特有の気候風土と伝統的な暮らしぶりが反映された造りで、琉球古民家のある集落は落ち着きのある美しい景観を今に残しており、古民家そのものが観光名所として保存・再生されるほどの古い建築様式故に住むとなれば覚悟も必要のようです。
現代の一般住宅として新たに建てられる事は稀のようで、木造住宅の天敵であるシロアリ対策や沖縄害虫の侵入は多少覚悟も必要のようですね。こうした古民家には、玄関という考え方が無いので、住人もご近所さんも縁側などから家に入っていたそうです。現代生活に妥協しづらいお風呂(シャワー設備)やトイレは、母屋に増築、改修されている物件がほとんどです。
いくら古民家と言っても歴史上の古民家に住める機会はほとんどありませんが、その風情はいつになっても羨望を集め続けていますね。

※成約非掲載によりリンク切れになっている場合があります。 沖縄不動産文庫にあった古民家(2014.04.11現在) 沖縄不動産文庫にあった改修予定の成約済み古民家(2014.04.11現在)

■沖縄の一般住宅(鉄筋コンクリート住宅)
・家賃相場4万〜。集合。賃貸、売買ともに多くあります。

沖縄の遠景。(海軍豪公園展望台)/by マイグロ沖縄の遠景。(海軍豪公園展望台)/by マイグロ

「外人住宅」や「琉球古民家」は沖縄独特の住宅様式として際立っていましたが、個性的な生活スタイルに拘らないのであれば、沖縄の一般住宅に住む時は本土との大差を感じる事はありません。むしろ、沖縄の気候や土地柄を巧みに考慮した個性ある沖縄の家々や、新たな木造工法も進化しており、タワーマンションやセキュリティ設備が整った中・大規模の集合住宅も立ち並び、季節の過ごし方をマスターすれば「沖縄の家」に対する心配は無用と言えそうですね。

沖縄で家を建てたい!「こんな家に住みたい」[週間かふう]の家造りFAQ 沖縄の民家紹介

沖縄の一般住宅。沖縄の一般住宅。/by マイグロ 沖縄の一般住宅。/by マイグロ沖縄の集合住宅遠景。/by マイグロ

沖縄の家探しのヒント

家の特徴よりは「沖縄の家探しのポイント」を知りたい方は、他の都市と変わらない?沖縄の物件事情[沖縄で自然に囲まれた一戸建てに住みたい]で2011年時点での沖縄の地域別の物件探しポイントが紹介されているので参考になります。慎重に沖縄の物件をリサーチするには実は雨の日が最適だそうですよ!

それから、沖縄移住者のみなさんがおっしゃっておりましたが、お風呂の浴槽が付いていない物件が多いようです!暑い気候なので、湯船に浸かる習慣よりシャワーで汗を流すぐらいで丁度良くなるのでしょう。
お風呂に拘っている方は心配な点だと思いますので、気になる物件の浴室周りは現地でもよくチェックしておくのが良さそうです。図面では付いているのが解っていても、それが使える状態なのかや、沖縄生活に徐々に慣れて使わなくなっていく人もいるようで、お風呂生活の有り方を真剣に考えておく必要があるようです。

さて“沖縄の家”の基礎知識として、主に気候や構造に注目して目立った違い等をご紹介しましたが、沖縄の地域性などは実際住んでみないと解らないそうです。それはみなさん次第ということでもありそうですが“住めば都”なんて昔の人は良く言いました。これは「どんなに不便な場所でも、長く住み慣れてくると住み心地がよく、その地を離れ難くなるもの。」という意味です。ただ、我慢し続けるのは意味がありませんから、どうしても慣れないところは拘って沖縄移住生活をした方が良いかと思われます。

沖縄移住者のみなさんから、沖縄には観光でも何度か足を運んで季節感を感じ取りながら物件を下調べすると良いそうです。それから“沖縄の不動産屋さんは日曜がお休み”という場合が多いようで、週末に沖縄の物件探しに来たら不動産屋さんがお休みだった・・・なんて事にならないように、もし目星をつけた物件を見に行くなら不動産屋さんには事前に問い合わせする時に定休日も確認しておきましょうね!

今や沖縄の物件賃料は本土と大差無く、土地も安くないというのが新常識となりましたね。
那覇では本土の主要な都市と等しく交通量が多く、電車による大量輸送手段が無いだけで都市化は十分進み、クルマ社会に順応できれば不便は無いと思われます。
みなさんがそれぞれお持ちの沖縄移住の目的や、その生活スタイルにあった住まいを選んで、沖縄移住生活のスタート地点を決められたらいいですね!

マイグロの「沖縄インタビュー」でも、沖縄移住者のみなさんの元気な暮らしぶりが伺えます!
Lamp cafe + zakka オーナー 西田 綾子さん(全3回) 沖縄自然体験うみゆくい 千野 精一郎さん(全4回) 他、先輩沖縄移住者の方々のインタビューを連載中です。

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